事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を補助する制度です。
第10回公募からは、コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者への支援として「物価高騰対策・回復再生応援枠」、成長分野への事業再構築を支援するべく売上高等減少要件を撤廃した「成長枠」を新設するなど、ポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り拓くための取組を重点的に支援しています。
必須申請要件
事業再構築補助金は、補助金の枠を問わず以下の要件を満たす必要があります。
A:事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けることが要件となっています。
※補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。)
B:付加価値額を向上させること
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。
人数
資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること。
業種 | 資本金 | 従業員数 |
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
※1 資本金は、資本の額又は出資の総額をいいます。
※2 常勤従業員は、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解されます。
日々雇い入れられる者、2 か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者は含まれません。
※3 みなし大企業に該当する場合は補助対象となりません。
補助金枠ごとの申請要件
事業再構築補助金を申請するにあたり、以下の条件を満たす必要があります。
成長枠
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※)に属していること
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
大規模賃金引上促進枠
- 成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること
物価高騰対策・回復再生応援枠
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較しての同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 中小企業活性化協議会等から支援を受け、再生計画等を策定していること
対象となる経費
事業再構築補助金において、対象となる経費は以下の通りです。
- 建物費:建物の改修や撤去、一時移転などに要する費用。
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む):機械装置、ソフトウェア、システムの導入・構築・借用・据付費用等。
- 技術導入費:知的財産権等の導入に要する経費。
- 専門家経費:大学教授、税理士、弁護士、コンサルタントなど専門家に依頼するコンサルティング業務等に要する費用。
- 運搬費:商品や原材料の輸送に必要な費用。
- クラウドサービス利用費:クラウドやプラットフォームを利用した情報管理や業務効率化に必要な費用。
- 外注費:製品の加工、設計、デザインなどを外注するための費用。
- 知的財産権等関連経費:特許や商標登録などの弁理士報酬や翻訳料等。
- 広告宣伝・販売促進費:新製品の宣伝や販売促進に必要な費用。
- 研修費:社員の教育訓練や講座受講に必要な費用。
申請手続きと期限
事業再構築補助金の申請手続きは以下のように行われます。
Gbiz IDの取得
事業再構築補助金の申請は電子申請のみで実施されます。申請にはGbiz IDが必要となり、この IDの発行には2〜3週間程度がかかります。申請をすることが決まったら、まずはGbiz IDの取得申請をしましょう。
書類の準備
事業再構築補助金の申請には、申請書類の準備が必要です。具体的には、事業計画書、決算書、確定申告書、労働者名簿などが含まれます。各書類の要件やフォーマットには注意が必要です。
申請期限
事業再構築補助金の申請には、一定の申請期限が設定されています。直近の公募は未定ですが、期限を過ぎると申請が受け付けられないため、提出期限に注意しなければなりません。
申請は行政書士にお任せください
行政書士に依頼するメリット
事業再構築補助金の申請は、事業計画書の作成や各種必要書類の準備、採択後も交付申請や実績報告等の多くの手続きがあり、本業と併せて遂行するのには大きな手間がかかります。補助金申請に関する豊富なノウハウを持ち、手続きに精通している専門家である行政書士にサポートを依頼することで自社の負担を大幅に軽減することが可能になります。メリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 事業計画書の作成や提出手続きに関するアドバイスを受けられる
- 申請書類の不備や間違いを事前に防ぐことができる
- 本業以外の負担が大幅に軽減できる
行政書士に依頼することで、補助金の申請がスムーズに進められたり、不備や誤りを防ぎ、採択確率を高められるようなアドバイスを受けることができます。 弊事務所は補助金申請サポートを専門としており、申請から採択後の手続きまでサポートいたしますので、補助金申請が初めてでどうすればよいかかわからない方や、申請書の書き方がわからない方についてはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
事業再構築補助金を活用するためには、条件を正確に把握し、申請に必要な手続きを適切に行うことが重要です。事業の再構築性や実施計画、資金計画、売上高減少要件など、各条件を満たすように準備しましょう。また、申請書類の準備や申請期限にも注意し、スムーズな申請を行いましょう。
事業再構築補助金は、コロナ禍やアフターコロナにおける事業者の成長や建て直しに貢献する重要な支援制度です。ぜひ、条件をクリアし、補助金の活用によって成果を上げるチャンスを掴みましょう。